中用量ピルは、月経トラブルの改善や避妊目的で服用される薬です。
低用量ピルと中用量ピルの違いは、エストロゲンと呼ばれるホルモンの配合量です。
ホルモンの配合量の違いによって、高い効果が期待できる反面、副作用が強く出る可能性もあります。
この記事では、次の内容について詳しく解説していきます。
中用量ピルについて知りたい方やピルを服用して避妊したいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
中用量ピルには、下記の2種類のホルモンが配合されています。
低用量ピルにも2つのホルモンが配合されていますが、中量用ピルの方がエストロゲンの配合量が多いことが特徴です。
ホルモンの配合量が多い中用量ピルは、緊急避妊のアフターピルや月経周期をずらす「月経移動」を目的として使用されます。
中用量ピルの避妊効果は、服用開始から1週間ほどで得られます。
初めて服用する場合は、服用開始から1週間は十分な避妊効果が期待できないため、コンドームなどの他の避妊方法を実施するか性交渉を避けましょう。
中用量ピルは正しく服用することで、低用量ピルと同様にほぼ100%に近い避妊効果を得ることができます。
ただし、飲み忘れなどがあった場合は、妊娠の可能性が高くなるため100%避妊できるわけではありません。
また、中用量ピルは緊急避妊薬として処方されることもあります。
避妊効果は、性交後24時間以内の服用で77%ですが、服用が早ければ早いほど避妊効果も高くなります。
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中用量ピルは低用量ピルと比べて薬の成分が強いため、副作用のリスクが高くなります。
中用量ピルの主な副作用は、下記の通りです。
低用量ピルと同様の副作用がありますが、症状が強く出る可能性が考えられます。
副作用の感じ方には個人差がありますが、吐き気などの症状に悩む女性も少なくありません。
服用を続けるうちに副作用は軽減すると言われていますが、副作用が続く場合は、担当の医師に相談されることをおすすめします。
また、吐き気などが強い場合は、吐き気を抑える薬も合わせて処方してもらいましょう。
中用量ピルは吐き気などの副作用が強く出る可能性が高いため、避妊や月経トラブルの改善には低用量ピルを服用するのが一般的です。
低用量ピルは、中用量ホルモンと比べて含まれるホルモンの量も少ないので、身体への負担も軽く、副作用の出現も少ないと言われています。
さらに、低用量ピルには、避妊やPMSなどの月経前の不快感の緩和だけでなく、ニキビなどの美肌効果も期待できます。
また、低用量ピルは飲み忘れない限りほぼ100%の確率で避妊ができますので、避妊を目的とする場合は低用量ピルを利用しましょう。
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中用量ピルが処方されるケースは、下記の通りです。
中用量ピルは、低用量ピルよりもホルモン配合量が多いので、緊急避妊のアフターピルとしても処方されています。
性交後、24時間以内に中用量ピルを服用することで、77%以上の確率で避妊が期待できます。
また、学校行事や修学旅行、試験、旅行などの日程と生理が重なってしまいそうな場合にも、生理周期を移動させる目的で処方されることも多いです。
中用量ピルが保険適用になるケースは、下記の症状の場合です。
避妊目的や月経トラブル解消とは違って、「治療」が目的になる場合です。
一方、避妊目的や月経移動などの場合は、治療が目的ではないため、自費診療の扱いになり、全額自己負担での購入になります。
中用量ピルは21日周期でホルモンの成分を服用し、通常であれば、休薬期間の7日間の間に生理が来ます。
しかし、ピルに含まれるホルモンの影響により、生理が来ないこともあります。
2周期目に入っても生理がこない場合は、妊娠の可能性があるため、担当の医師に相談しましょう。
中用量ピルの避妊効果は100%ではありません。
服用開始から1週間程度は避妊効果が得られないため、この期間に避妊せずに性交渉をした場合、妊娠が成立してしまうこともあるのです。
また、中用量ピルの飲み忘れがある場合も、正しい避妊効果が得られず、妊娠の確率が高くなります。
日本製の中用量ピルは以下の2種類です。
しかし、ソフィアAの製造・販売は中止されたため、現在処方されている中用量ピルプラノバールのみとなっています。
緊急避妊や月経移動で処方されるプラノバールは、4,000〜8,000円が相場です。
避妊や月経移動などは治療目的ではないため、自費診療になります。
また自費診療の場合はクリニックによって販売価格が異なるため、値段に差があります。
月経困難症などの治療目的で処方される場合は、保険適用になり、3割負担で購入が可能です。
2020年現在、中量ピルは、ドラッグストアや薬局などで市販されていません。
購入するためには、クリニックで医師の処方を受ける必要があります。
ネット通販では個人輸入という形で販売されていますが、通販での購入はおすすめしません。
通販サイトでの購入をおすすめしない理由としては、下記の通りです。
個人輸入で購入したピルは、ホルモン配合量が不明なものもあり、偽物である可能性もあります。
中用量ピルは全ての方が服用できるわけではないため、安全性を考えて、取り扱いのあるクリニックで処方してもらいましょう。
中用量ピルの飲み方は、基本的に24時間ごとに1日1回一錠を服用します。
服用期間に関しては、目的によってお薬の量や飲み方が異なります。
継続して飲み続ける場合や一定期間だけ服用する場合、時間ごとに服用するなどの違いがあるので、服用の際は飲み方を確認しておきましょう。
避妊もしくは月経困難症などの治療目的で服用する場合は、中用量ピルを1日1回一錠服用します。
月経開始後の5日目から飲み始め、28日間周期のうち7日間は薬を服用しない「休薬期間」があります。
28日周期で服用を続けることで、避妊効果が期待できるほか、月経困難症などの症状の改善も期待できます。
月経移動で服用する場合は、月経のタイミングによって飲み方が変わります。
・次回の月経を早めたい場合
→月経初日から5日以内に中量用ピルを最低10日間服用
・次回の月経を遅らせたい場合
→月経予定日の5日前から月経を遅らせたい日まで中用量ピルを服用
月経を早めるか、遅らせるかなど、タイミングによって服用する量も異なります。
服用期間が短かすぎると月経移動に失敗してしまう可能性もあるので、期間に余裕を持ってクリニックで処方してもらいましょう。
緊急避妊で服用する場合は、タイミングとお薬の数が異なります。
中用量ピルを用いた緊急避妊の方法は、ヤッペ法と呼ばれ、12時間ごとに合計4錠服用します。
通常の服用方法とは異なるため、飲み方に注意が必要です。
中用量ピルを服用すると太ると言われています。
これは中用量ピルにホルモンが多く含まれているため、むくみや食欲増進などの作用が出やすいことが主な理由とされています。
そのため「中用量ピル=太る」というわけではなく、ピルに含まれるホルモンの作用により身体がむくむことで「太った」と感じてしまうのです。
しかし現在では、副作用や安全性を考慮してホルモン量の比較的少ない「低用量ピル」の服用が一般的です。
その結果、ピルを服用することで太ったと言われることは少なくなりました。
現在は、中用量ピルが処方されるのは、月経困難症や月経過多などの治療目的の場合が多いです。
避妊目的や月経痛の緩和などのトラブル解消が目的の場合は、通常、ホルモン量が少ない低用量ピルが処方されます。
低用量ピルは中用量ピルと比べて副作用が少なく、身体への負担も軽いことが特徴です。
低用量ピルもドラッグストアなどで購入できないため、医師の診察と処方が必要になります。
当院では、お仕事や家庭の事情などで来院が難しい方のために、オンライン診療を行っています。
処方された低用量ピルは郵送でお受け取りいただけるので、気軽にご利用ください。
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中用量ピルは緊急避妊や月経移動、月経困難症などの治療目的で処方されることが中心です。
避妊目的や月経トラブル解消には、ホルモン量が少ない低用量ピルの服用が一般的になっています。
治療目的以外のピルの購入は、自費診療になりますが、「値段が安い」との理由で通販を利用するのは危険です。
安心して服用を続けるために、取り扱いのある婦人科クリニックで処方を受けましょう。
当院では、オンライン診療でピルを購入していただけるので、気軽にご利用ください。
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